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  • 2025/06/24

経産省「技術流出対策ガイダンス第1版」を公表―要点と実践的な対策を解説します

経産省「技術流出対策ガイダンス第1版」の要点を解説。技術流出のリスクと実践的な対策を紹介します。

こんにちは。「FinalCode」製品担当です。
2025年5月、経済産業省から「技術流出対策ガイダンス第1版」が公表されました。
このガイダンスでは、企業活動におけるさまざまな場面で想定される技術流出リスクを整理し、それぞれに対応する実践的な対策が示されています。
多くの企業にとって、技術やノウハウは競争力の源泉です。だからこそ、その「流出をいかに防ぐか」は、今は経営課題のひとつとなっています。
今回はこの内容を踏まえながら、技術流出リスクとその対策、そしてその実効性を高めるためのソリューションをご紹介します。

経産省「技術流出対策ガイダンス第1版」公表―要点 イメージ

1. 「技術流出対策ガイダンス第1版」とは

策定された背景

経済安全保障の重要性が高まる中、「企業が保有する先端技術をいかに守るか」は、
日本の自律性や国際競争力を左右する大きな課題となっています。
特に最近では、

  • 海外との取引や拠点展開の拡大
  • 人材の流動化
  • 技術の不正取得、情報流出

といった多様で巧妙な技術流出リスクが増加し、企業の現場では「どこまで、どう対策すればよいのか」といった悩みの声が多く聞かれます。

経済産業省が示す指針

こうした背景のもと、経済産業省は2025年5月に「技術流出対策ガイダンス第1版」を公表しました。
このガイダンスでは

  • 企業の置かれた状況やビジネスシーンに応じた技術流出リスクを整理
  • 具体的な対応策や他社の取り組み事例を紹介

することで、実践的な対策の選択肢を提示しています。

初版の注目ポイント

第1版では、特にリスクが高いとされる以下の2つのケースに焦点を当てています。

  • 生産拠点の海外進出に伴う技術流出
  • 人を通じた技術流出

いずれも、実際に発生した事例をもとに、「いつ・何をすべきか」「組織としてどう備えるか」といった観点で、具体的かつ体系的に対策が示されています。
企業が自主的に技術を守るための実践的な手引きとして、非常に参考となる内容です。

2.技術流出リスクと具体的な対策

ケース1:海外拠点進出に伴う技術流出

海外拠点での生産や製品開発を行う際には、現地の法制度・商習慣・人材流動性など、日本とは異なる環境の中で流出するリスクが高まります。特に、以下のようなケースがガイダンス内で指摘されています。

① 派遣役員からの技術流出
  • ・合弁相手方から派遣された役員が、合弁会社に提供していた技術情報にアクセスし、これを持ち出すケース
② 現地スタッフからの技術流出
  • 子会社における情報管理の甘さから、現地スタッフによって技術情報が持ち出されるケース
  • ・現地スタッフが在職中に習得したノウハウを、転職先で不正に活用するケース
③ 委託先の役職員からの技術流出
  • ・海外企業に製造を委託する際、設計図面などの技術情報を提供していたが、委託先の情報管理が不十分だったために、情報が流出してしまうケース
④ サイバー攻撃による技術流出
  • ・海外子会社のシステム管理を現地任せにしていたため、サイバー攻撃を受けて技術情報が流出してしまうケース

本ガイダンスでは、以下のように事業の各フェーズに応じた対応策が整理されています。

主な対策

  • 計画段階、契約時

    海外拠点も含めた情報管理規定の整備や、技術情報の提供範囲の取り決めを行う。
    例)コア技術を特定⇒移転する範囲を適切に判断

  • 事業実施段階

    現地拠点において、物理・人的セキュリティ体制の構築を進め、アクセス制限や従業員教育などを行う。
    例)重要情報へのアクセス権限を厳格に管理⇒必要な従業員のみ情報を提供
    設備のメンテナンスは、極力日本の本社や設備メーカーから派遣された技術者が実施

  • 契約時

    契約終了後の技術情報の返却・削除や再利用禁止の確認など、情報の取り扱いを明確に定めておく。
    例)重要情報へのアクセス権限を再設定⇒不要な従業員のアクセスを制限

このように海外展開を検討される際には、各段階での適切なルール整備と運用を通じて、技術流出リスクを最小限に抑えることが大切です。

ケース2:人を通じた技術流出

技術流出は、システム経由だけでなく、人を介して起こるケースも少なくありません。
以下のようなケースがガイダンス内で指摘されています。

① 不適切な接触
  • 産業スパイと接触し技術流出
  • SNSやブログで不用意に発信
  • 展示会への出展を契機に流出
② ミスによる漏えい
  • ・重要な情報を誤って他社に送付
  • アクセス権限のない者に開示する
  • 秘密情報の範囲を誤解している
③ 競合他社への転職
  • ・転職前に、転職先での活用を見越して設計図面などを不正に持ち出す
  • 営業秘密を不正に開示

このようなリスクに備えるためには、以下のような人的・組織的な対応策が重要です。

主な対策

  • 機密情報の範囲を明確にするルールの整備

    従業員や外部パートナーに対し、「どの情報が機密情報なのか」を明確にし、共有する仕組みを作る。
    例)自社の競争力の源泉を確認⇒コア技術は厳格に管理

  • 組織横断的な専門部署の設置

    現場の判断に任せきりにするのではなく、組織横断的な対応が不可欠
    例)関係部署がそれぞれの担当所掌で責任を果たすとともに、技術流出対策の司令塔となる専門部署を設置供
    ⇒部署間を連携させ、全社的な対策を講じる

  • 教育、研修の実施

    技術者を含む従業員に対して、情報セキュリティ教育を継続的に実施し、情報管理の意識を高める。
    例)技術流出対策の重要性についてトップメッセージを随時発する
    ⇒全社的な情報管理意識の醸成を図る

  • デバイスの管理・利用ルールの徹底

    役職員が使用するデバイスを会社が適切に管理することが重要
    例)デバイスの紛失・盗難に備えて、リモートでのデータ消去、遮断ができるようにする

「人を介した流出」は、日常業務に潜むため、完全な排除は困難です。だからこそ、技術情報の可視化と追跡性、そして人の行動を前提としたリスクマネジメントの強化が必要です。

3.誰の手に渡っても情報を守る「FinalCode」

「FinalCode」とは?

「FinalCode」は、ファイルそのものにセキュリティ制御を施す、ファイル暗号化ソリューションです。
「人を通じた技術流出」に対して、実践的かつ効果的な対策を行うことができます。

  • 暗号化+アクセス制御で「開ける人・時間・場所」を限定
  • 閲覧、印刷、コピー、保存の権限を細かく制御
  • ログを自動取得し、情報管理状況の監査にも対応
  • 指定したフォルダーに格納するだけで、予め設定したテンプレートに基づき自動暗号化
  • 指定した閲覧者以外からアクセスがあった場合は不正通知機能で不正使用の兆候を把握
  • 取引先との契約終了時や漏えいが疑われる場合は、「遠隔削除」が可能

たとえばこんなシーンで活躍

「FinalCode」による実効的な対策
退職者が持ち出したファイルを自宅PCで開かせない

渡したあとも閲覧権限を削除可能

委託先が別プロジェクトに流用させたくない

取引先との契約終了時など、閲覧者や閲覧期限、操作制限を変更可能

誤送信した資料を回収したい

リモート削除が可能

開封ログを確認し、漏えいしていない事実を確認可能

「情報がどこにあっても、誰の手に渡っても守られる」―そんな安心感こそが、これからの技術活用には欠かせません。
このように「誰に渡っても安心できるファイル」が、「FinalCode」で実現します。

経済安全保障が叫ばれる今、技術が安心して情報を管理できる環境を整えることが、新たなイノベーションの土台になります。
「人を通じた技術流出」対策には、「FinalCode」が効果的です。せひご検討ください!




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